この原石は、まもなく浮かび上がる
用意はできている。でも、まだ封は解かれていない。開く日に、また来てほしい。
公開予定: 2026-07-31(JST)
あの路地の先の倉庫に笑顔の男が立っていて、手招きしている。見た者は全員行方不明だ。そして今日、どうしてもその路地を通らなければならない。
始まりは学校でささやかれる噂で、ストアページはそれを、噂が実際に語られるとおりの形で書いている——「とある路地の先にある倉庫で、笑顔の男が手招きしている」。その姿を見た者は倉庫に引き寄せられ、行方不明になるという。そしてある日、あなたは帰り道にどうしてもその路地を通らなければならなくなる。倉庫に近づくと突然ドアが開き、中から手が伸びてきた。その手に引き込まれた瞬間に意識が遠のき、目を覚ますとそこは裏世界だった。以降は、日本の住宅街の裏側を舞台にした一人称のチェイスホラーである。脱出に必要なアイテムを探して回り、その間、徘徊するニコニコさんがこちらを探している。ストアがこれを「ハイスピードホラー」と名乗れる理由はエナジードリンクにある。走るために消費する道具で、つまり管理する資源は弾でも体力でもなく「背後にいるものより速くいられる時間」だ。プレイ時間は30分〜1時間、エンディングは2つ、分岐エンディングムービーは3つ、価格は¥420。手触りについては公式ジャンル表記よりSteamのユーザータグのほうが正確で、Horrorの隣に Walking Simulator、Hidden Object、Immersive Sim、FMV、そして Dogs が並んでいる。制作はTI-BA氏ひとり。AUTOMATONの日本版は「国内個人開発者のTI-BA氏」と端的に書いており、YouTubeチャンネル名は「ちぃば / TI-BA」、ブログのプロフィールには「主にUnityを使ってホラーゲームを作っています」とあって、連絡先は個人のGmailひとつだけだ。この名義でSteamのdeveloper検索を叩くと返ってくるのはちょうど1件だが、ブログを辿ると以前に自主リリースしたスマホ作品が1本見つかる。そちらにも発売元は付いていない。発売日は2025年4月24日。69件のレビュー(好評66件・不評3件)で好評率95%。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み。Steamのコンテンツディスクリプタは完全に空で、大人向けコンテンツの説明欄も存在せず、19件のユーザータグにも性的なものは一つもない。AI生成コンテンツの開示欄は存在する。当サイトはそこを定型句で覆わない方針なので、全文をそのまま置く——「ゲーム内に登場する架空の広告にAI生成による人物写真を使用しています。」開示の範囲はこれだけで、他のカテゴリは一切含まれていない。対応言語は日本語に加えて英語と簡体字中国語。69件の内訳は日本語25件・英語15件・韓国語13件・簡体字中国語11件だ。英語15件は当サイトの他の発掘より西側に届いているほうで、そこは飾らずに書いておく——実況者は何人か見つけている。起きていないのは、英語で書かれた編集記事が一本も無い、ということのほうだ。
公開 2026-07-31
01まず、その一点の感覚
- 走るためにエナジードリンクを消費する、というのを中核資源に据えたのは妙な選択で、これは恐怖を予算に変換してしまう。「逃げ切れるか」ではなく「ここは速くなる価値のある角か」を問われることになり、その判断を間違えた時に一周が終わる。
- この前提は、驚かせでは作れない仕事をしている。見た者は全員行方不明——それを出発前から知っていて、それでも通らなければならなかったから通った。恐怖はゲームが始まる前に、既に合意されている。
- 舞台は幽霊屋敷ではなく住宅街だ。落とされる裏側は、番地があって帰り道がある場所から組み立てられている。城や廃病院とは別種の居心地の悪さがそこにある。
02こういう人に刺さる
刺さる
- 影廊の形を現代の舞台で欲しい人——何かがマップを歩いてこちらを探し、こちらは出口を探して同じマップを歩く。設計のどこにも戦闘は無い
- 小さくて完結したものが欲しい人——ひとり、Steam全体で1本、30分〜1時間、エンディング2種、¥420、そしてストアページに「実況・配信は歓迎です!事前連絡も不要です」と書いてある
- 内容の記録がきれいなものが欲しい人——本作はSteamのコンテンツディスクリプタが完全に空で、大人向けコンテンツの説明欄そのものが存在しない
合わない
- AI生成アセットが一切許せない人。開示はある。狭いが実在する——ゲーム内の架空広告に使われている、AI生成の人物写真だ。それ以外は開示の対象外だが、それ一点でも駄目なら、この記事は向いていない
- 西側プレイヤーに本当に触られていないものが欲しい人——69件のうち15件が英語で、これは当サイトの他の発掘より多い。今回の主張はいつもより狭い。実況者は見つけている。編集者が見つけていない
03系譜:この味の原点
95% が好評レビューはわずか 69 件 — なのに、ほとんど誰も見つけていない
ニコニコさん | Niconico-san 埋もれた名作
始まりは学校でささやかれる噂で、ストアページはそれを、噂が実際に語られるとおりの形で書いている——「とある路地の先にある倉庫で、笑顔の男が手招きしている」。その姿を見た者は倉庫に引き寄せられ、行方不明になるという。そしてある日、あなたは帰り道にどうしてもその路地を通らなければならなくなる。倉庫に近づくと突然ドアが開き、中から手が伸びてきた。その手に引き込まれた瞬間に意識が遠のき、目を覚ますとそこは裏世界だった。以降は、日本の住宅街の裏側を舞台にした一人称のチェイスホラーである。脱出に必要なアイテムを探して回り、その間、徘徊するニコニコさんがこちらを探している。ストアがこれを「ハイスピードホラー」と名乗れる理由はエナジードリンクにある。走るために消費する道具で、つまり管理する資源は弾でも体力でもなく「背後にいるものより速くいられる時間」だ。プレイ時間は30分〜1時間、エンディングは2つ、分岐エンディングムービーは3つ、価格は¥420。手触りについては公式ジャンル表記よりSteamのユーザータグのほうが正確で、Horrorの隣に Walking Simulator、Hidden Object、Immersive Sim、FMV、そして Dogs が並んでいる。制作はTI-BA氏ひとり。AUTOMATONの日本版は「国内個人開発者のTI-BA氏」と端的に書いており、YouTubeチャンネル名は「ちぃば / TI-BA」、ブログのプロフィールには「主にUnityを使ってホラーゲームを作っています」とあって、連絡先は個人のGmailひとつだけだ。この名義でSteamのdeveloper検索を叩くと、返ってくるのはちょうど1件である。発売日は2025年4月24日。69件のレビュー(好評66件・不評3件、Steam自身のレビューAPI実測)で好評率95%。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み。Steamのコンテンツディスクリプタは完全に空で、大人向けコンテンツの説明欄も存在せず、19件のユーザータグにも性的なものは一つもない。AI生成コンテンツの開示欄は存在する。その全文はこうだ——「ゲーム内に登場する架空の広告にAI生成による人物写真を使用しています。」対応言語は日本語に加えて英語と簡体字中国語。69件の内訳は日本語25件・英語15件・韓国語13件・簡体字中国語11件で、そして英語で書かれた編集記事は一本も存在しない。
あなたの手で、最初の合格を影廊 -Shadow Corridor- 批評的な木霊
この味の原点——影廊 -Shadow Corridor-。日本のフリーゲームの土壌から出てきた和製インディーホラーで、本作が受け継いでいる形を作った作品である。その貢献は、恐怖を「見せ場の連続」ではなく「空間の中の移動」の問題にしたことだ。何かがマップを歩いてこちらを探している。こちらも同じマップを歩いて、必要なものを探している。ゲームとは、その二つの捜索が重なる部分のことである。戦ってはいない。管理しているのは「自分が今どこにいるか」だ。『ニコニコさん』は公式の影廊作品ではなく、この系譜は明言された影響ではなく当サイト独自の批評的比較である。両者が分かれるのは舞台のほうで、そこが面白い。影廊の世界は和風の異界であり、意図的にどこでもない場所として作られている。ニコニコさんは同じチェイスを、現代の住宅街とその裏側に置いた。つまりマップを歩き回っているものは、道順を説明できてしまう場所を歩いている。
04あなたの手で、この原石を輝かせる
気になったら Steam で確かめて、最初の合格をあげてほしい。あなたの一押しが、埋もれた原石を輝かせる。
あなたの合格が届いた。原石が、いま光をつかんだ。
05この味の血統
- 影廊 -Shadow Corridor- 原点
- ニコニコさん | Niconico-san 現在地
- 影廊 -Shadow Corridor- 同じ原点
- 状況を読んで組むゲーム 別の味