系譜の原点

影廊 -Shadow Corridor-:その系譜と、子孫と、日本での評価

01この原点とは

影廊 -Shadow Corridor-は、日本のフリーゲーム配信サイト「ふりーむ!」でリリース日2017年6月21日に無料公開された、ソロ開発者 城間一樹 による日本産インディーホラーゲームだ。城間は2016年2月、当時の旧HN「花月」名義で洋風テイストのホラーゲームの制作映像をニコニコ動画に投稿し始め、同年4月には和風ホラーへと方向転換、完成したフリー版は第13回ふりーむ!ゲームコンテストのホラー部門で金賞を受賞した。和風建築の回廊を、手持ちの明かりと見つけたアイテムだけを頼りに歩き、視覚と聴覚で追う能面の徘徊者を、戦うのではなく避けてやり過ごして生き延びる——この系譜のひな型を作った一本だ。城間は後に、この同じ作品をゼロから作り直し、Steamで商業版『Shadow Corridor』としてリリースした。同じループを保ったまま、新規のストーリーと追加のゲームシステムを加え、Steam自身のストア表記によれば、そのボリュームは無料版の「何と10倍以上」になっている。

02出典

03この原点を継ぐ発掘

影廊 -Shadow Corridor- 埋もれた名作

一人称視点・戦闘要素なしの3Dホラー脱出ゲーム。夏の夕暮れ、迷い込んだ先は竹と畳造りの古い迷宮のような屋敷——手続き生成されるその回廊を歩き、脱出の扉を開ける光る勾玉(まがたま)を探し出さなければならない。頼れる光源はライター一つ(火を消せば見つかりにくくなるが、その代わり周りは何も見えなくなる)。道中で拾う爆竹やテレポート鏡といった能動的なアイテム、体力の葉のような受動的なアイテムだけを頼りに、視覚と聴覚でこちらを追う複数種の能面の徘徊者——それぞれ固有の探知パターンを持つ——を、戦うのではなく読んで避けてやり過ごす。開発・自社セルフパブリッシュは、日本のソロ開発者 城間一樹 が率いる Space Onigiri Game LLC(スペースおにぎりゲーム合同会社)。城間は2016年、当時の旧HN「花月」名義で開発中の映像をニコニコ動画に投稿し始めた人物だ。プレイヤーレビューによれば、死亡した場合は同じ生成マップ上のチェックポイントから、手持ちアイテムを保持したまま再開できるが、すでに設置し終えた再利用可能なマーカー類は落とした場所に残ったまま手元には戻らず、ラン自体を中断してしまうとマップ全体が生成し直され、次のレベルはアイテムゼロから始まる——一部のレビューが直接指摘するリスクだ。最初の回廊の先にはさらなるステージが続いて物語を進め、複数の難易度が用意されており、あるレビュアーが「アイアンマン的」と評した挑戦を突破しないと解放されないおまけエリアもある。本作はもともと無料の日本産インディーデモとして始まった作品を、ゼロから作り直した商業拡張版だ——Steam自身の表記は、完成版のボリュームは原版の「何と10倍以上」になったとし、新規のストーリーと追加のゲームシステムも加えたとしている。リリース日は2019年3月8日、2,176件のレビュー(Steam自身のレビューAPIでは1,969件が好評)で好評率90%の「非常に好評」。無料ではない有料タイトル(米国7.99ドル、日本では820円)で、アーリーアクセスではなく正式リリース済み、AI生成アセットはなく、Steam自身のコンテンツディスクリプタ上(ids:なし、notes:なし)性的な要素もない。音声は日本語のみのフルボイスで、英語・韓国語・ロシア語・簡体字中国語はテキストで対応。WayTooManyGames(最終評価4.5)やReal Otaku Gamerといった西側メディアがすでにレビューを掲載し、Metacriticには家庭用機版に対するGameGrin・Video Chums・Pure Nintendoの批評ページも存在するが、2,176件のレビューのうち英語はまだ約73件、約3.35%に留まり、この圧倒的に好評な評価は今なお、ほとんどが日本語で語られている。

ニコニコさん | Niconico-san 埋もれた名作

始まりは学校でささやかれる噂で、ストアページはそれを、噂が実際に語られるとおりの形で書いている——「とある路地の先にある倉庫で、笑顔の男が手招きしている」。その姿を見た者は倉庫に引き寄せられ、行方不明になるという。そしてある日、あなたは帰り道にどうしてもその路地を通らなければならなくなる。倉庫に近づくと突然ドアが開き、中から手が伸びてきた。その手に引き込まれた瞬間に意識が遠のき、目を覚ますとそこは裏世界だった。以降は、日本の住宅街の裏側を舞台にした一人称のチェイスホラーである。脱出に必要なアイテムを探して回り、その間、徘徊するニコニコさんがこちらを探している。ストアがこれを「ハイスピードホラー」と名乗れる理由はエナジードリンクにある。走るために消費する道具で、つまり管理する資源は弾でも体力でもなく「背後にいるものより速くいられる時間」だ。プレイ時間は30分〜1時間、エンディングは2つ、分岐エンディングムービーは3つ、価格は¥420。手触りについては公式ジャンル表記よりSteamのユーザータグのほうが正確で、Horrorの隣に Walking Simulator、Hidden Object、Immersive Sim、FMV、そして Dogs が並んでいる。制作はTI-BA氏ひとり。AUTOMATONの日本版は「国内個人開発者のTI-BA氏」と端的に書いており、YouTubeチャンネル名は「ちぃば / TI-BA」、ブログのプロフィールには「主にUnityを使ってホラーゲームを作っています」とあって、連絡先は個人のGmailひとつだけだ。この名義でSteamのdeveloper検索を叩くと、返ってくるのはちょうど1件である。発売日は2025年4月24日。69件のレビュー(好評66件・不評3件、Steam自身のレビューAPI実測)で好評率95%。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み。Steamのコンテンツディスクリプタは完全に空で、大人向けコンテンツの説明欄も存在せず、19件のユーザータグにも性的なものは一つもない。AI生成コンテンツの開示欄は存在する。その全文はこうだ——「ゲーム内に登場する架空の広告にAI生成による人物写真を使用しています。」対応言語は日本語に加えて英語と簡体字中国語。69件の内訳は日本語25件・英語15件・韓国語13件・簡体字中国語11件で、そして英語で書かれた編集記事は一本も存在しない。

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